名曲解説:モンティのチャールダーシュ

このページではモンティの『チャールダーシュ』を解説していきます!

クラーニャ

『チャールダーシュ(チャルダッシュ)』について学ぼう!

Monti Csardas by Clara Cernat and Thierry Huillet

『チャールダーシュ(チャルダッシュ)』はヴィットーリオ・モンティが1904年に作曲したバイオリン曲です。「チャールダーシュ」とはハンガリーに起源を持つ音楽ジャンルの名前で、モンティの『チャールダーシュ』はこれをベースにしています。

チャールダーシュの名前が付いた作品は多数作曲されてきましたが、日本ではモンティの作品が一番有名になっています。

[voice icon=”http://t8st.wpblog.jp/wp-content/uploads/2017/03/nyancini.jpg” name=”ニャンチーニ教授” type=”l”] チャールダーシュは固定のパターンが決まっておるから
それに沿って作曲されておるのじゃよ[/say]
当時の兵士募集のポスター

当時の兵士募集のポスター

チャールダーシュの前身となった音楽が生まれたのが1715年。ハプスブルク家の率いるオーストリアに支配されていたハンガリー王国が、常備軍の設立のために募兵活動を始めたころです。

当時のハンガリー王国が行った兵士の募兵活動は、強制的な徴兵とともに、志願兵の募集という方法でした。これは一般的な募兵方法ですが、ハンガリーはこの志願兵の募集を「居酒屋で宴会を開き兵士を誘い、軍へと勧誘する」という特殊な方法で行いました。

宴会の形をとったのは、ハンガリー軍の「軍隊生活の楽しさ」をアピールするためだったといわれています。

この特殊な募兵活動は、1848年にハンガリーがオーストリアから独立したのち、1866年に徴兵制が導入されるまで続けられました。

この酒場での募兵活動中に踊られていたダンス音楽は「ヴェルブンク」と呼ばれます。ヴェルブンクは最初は単なる宴会のダンスでしたが、次第に芸術的な音楽へと進化をとげます。

Gypsy Verbunk by VIRSKY

[voice icon=”http://t8st.wpblog.jp/wp-content/uploads/2017/03/nyancini.jpg” name=”ニャンチーニ教授” type=”l”] ちなみにハンガリー語では、居酒屋のことを「チャールダ」と呼んでおる

重要だから覚えておくように[/say]

なんか結果が想像できましたね

クラーニャ

酒場の音楽から芸術へと昇華したヴェルブンクは「ヴェルブンコシュ」と呼ばれ独立した音楽の様式になります。

ちなみにヴェルブンクとヴェルブンコシュは、ともにドイツ語で「募兵」を意味しています。

このヴェルブンコシュの特徴として挙げられるのが、ゆったりとした速度で始まり、中盤で生き生きと激しく、そして終盤へと加速していく曲調です。

これは定型化されていて、ヴェルブンコシュに属する音楽はこのパターンに沿って作曲されました。

https://www.youtube.com/watch?v=DIevy515x2k

[voice icon=”http://t8st.wpblog.jp/wp-content/uploads/2017/03/Clanya.jpg” name=”クラーニャ” type=”l”] 単なる酒場のダンスミュージックが、やがて人気の音楽ジャンルに発展したんですね[/say] [voice icon=”http://t8st.wpblog.jp/wp-content/uploads/2017/03/nyancini.jpg” name=”ニャンチーニ教授” type=”l”] そしてその人気はハンガリーの国境を越え、ヨーロッパ中へと広がっていくのじゃ[/say]

このヴェルブンコシュをヨーロッパ中に広げる立役者になった作曲家います。その名はロージャヴェルジ・マールク。ユダヤ系ハンガリー人の作曲家です。

彼は従来のヴェルブンコシュに手を加え、チャールダーシュと名を付け作品を発表しました。

名前の由来は想像がつくと思いますが、ハンガリー語で居酒屋を意味する「チャールダ」が名前のもとになっています。

このチャールダーシュは19世紀のウィーンをはじめヨーロッパ中で大流行します。その流行はすさまじく、ウィーン宮廷は一時チャールダーシュ禁止の法律を出したほどでした。

チャールダーシュを踊るセルビアのハンガリー人

チャールダーシュを踊るセルビアのハンガリー人
出典:wikimedia

[voice icon=”http://t8st.wpblog.jp/wp-content/uploads/2017/03/Clanya.jpg” name=”クラーニャ” type=”l”] へぇー、こうやってチャールダーシュが出来たんですね[/say] [voice icon=”http://t8st.wpblog.jp/wp-content/uploads/2017/03/nyancini.jpg” name=”ニャンチーニ教授” type=”l”] そして、現在残っているチャールダーシュの中で一番有名な作品が、モンティの『チャールダーシュ』なのじゃ[/say]

チャールダーシュが大流行した当時、様々な作曲家たちが自身の作品の中にチャールダーシュを取り入れました。

フランツ・リストの『死のチャールダーシュ(S.224)』は日本ではあまり知られていませんが、海外ではそれなりに演奏されています。

リストは他に『2つのチャールダーシュ(S.225)』を作曲しており、合計で3作のチャールダーシュを残しています。

Liszt – Csárdás Macabre (Kocsis)

なんか不気味な曲ですね…

クラーニャ

ニャンチーニ教授

バルトークの作品にも通じるところがある面白い曲じゃよ

続いては、ヨハン・シュトラウス2世のオペラ《騎士パスマン》より『チャールダーシュ』。

この曲は『騎士パズマンのチャールダーシュ』と呼ばれ非常に人気があり、単体で出版され作品番号441が与えられました。

ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでは数年おきに演奏されています。

https://www.youtube.com/watch?v=–m0MMVQTgU

ニャンチーニ教授

ちなみに『騎士パスマン』はシュトラウス2世が作曲した唯一のオペラなのじゃが、駄作といわれておる

音楽は好評だったのじゃが、台本がダメダメだったのじゃ

えぇ……

クラーニャ