名曲解説:ドビュッシーの《アラベスク第1番》

ニャンチーニ教授

このページではドビュッシーの『アラベスク 第1番』を解説していくぞ

『アラベスク 第1番』について学ぼう!

『アラベスク 第1番』はドビュッシーが25歳から26歳ごろに作曲したピアノ曲集『2つのアラベスク』の第1曲です。この曲集は第1番と第2番の2曲で構成されます。第1番が特に有名で、ドビュッシーのアラベスクと言えばたいてい第1番を指しています。

『2つのアラベスク』は実質的にドビュッシーが世に送り出した最初のピアノ曲です。ドビュッシーはこの曲の以前にもボヘミア風舞曲というピアノ曲を作曲していましたが、これは習作とよべる作品で、ドビュッシーの生前には発表されませんでした。

この曲がドビュッシー初のメジャーなピアノ曲なんですね

クラーニャ

タイトルのアラベスクとはイスラム教の寺院「モスク」にみられる幾何学的な文様のことです。日本語では唐草模様と呼ばれます。

ただこの曲はアラビア芸術をテーマにしているわけではありません。ドビュッシーはアラベスクという言葉について、こう語っています。

平行し、交錯する音の曲線は、思いがけない開花を用意している。それは『惚れ惚れするようなアラベスク』が花盛りの時代だった。

これはルネサンス時代およびバッハの音楽(バロック時代)にドビュッシーが言及したものです。

ルネサンス時代は対位法という作曲技法が主流でした。これは一つの曲の中に複数の旋律が現れるとき、どれが主役と決めず、それぞれが独立したまま旋律を奏でる技法です。

この対位法はバッハの作品で集大成を迎えたと言われています。バロック時代以降は和声という音の組み合わせを重視する作曲技法が主流になります。

これにより音の組み合わせに規則ができ、曲の中に主役と脇役ができるようになりました。

ドビュッシーはルネサンス時代やバッハの音楽を高く評価していました。そしてこの時代の音楽を「唐草模様(アラベスク)のように自然な曲線を描きながら絡み合い枝分かれするもの」ととらえていました。

『2つのベルガマスク』の曲名には、このような深い意味が隠されています。

色々な音が自然に絡み合っていくから「ベルガマスク」なんですね!

クラーニャ

『アラベスク第1番』には、アラベスクを表現する方法の一つとしてポリリズムが使われています。ポリリズムとは「複数のリズム」という意味の音楽用語です。第1番では右手と左手が違うリズムを弾き、ドビュッシーのアラベスクを表現していきます。

ポリリズムについてわかりやすく解説している動画があるので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ポリリズムについて

ニャンチーニ教授

ポリリズム使った曲といえば、パフュームの『ポリリズム』が有名じゃな

対して『アラベスク 第2番』は第1番と比べると目立って早く、より活発なテンポの曲になっています。

知名度や演奏頻度で劣りますが、音楽の規則に従って作曲した中にそれを崩している部分があるなど、後のドビュッシーを思わせるような作品に仕上がっています。

第2番は第1番と対照的な曲ですね。これはこれでいいかも

クラーニャ