名曲解説:ドビュッシーの《小さな黒人》

ニャンチーニ教授

《小さな黒人(ケークウォーク)》はクロード・ドビュッシーが作曲したピアノ曲じゃ。ドビュッシーのピアノ曲の中で一番簡単な曲じゃよ

作品の概要

20世紀初頭のパリにはいくつかの黒人ダンスホールがあり、パリ在住の黒人たちはそこで踊りに興じていました。

最初は黒人たちだけが利用していたダンスホールですが、次第に周囲の白人たちも興味を持つようになり、一緒に踊るようになります。

当然パリ在住の芸術家たちもそのダンスに興味を持ちました。黒人たちが踊ったダンスに音楽家や画家は魅了され、自身の作品にそれを取り入れました。

ドビュッシーもこの黒人のダンスに影響を受けた一人。ドビュッシーはそこで踊られていた「ケークウォーク」というダンスに興味を持ち、自身の作品に取り入れました。

《小さな黒人(ケークウォーク)》はその結果生まれた作品です。ドビュッシーは前年に作曲した《ゴリウォーグのケークウォーク》でも、同じモチーフを使用しています。

作曲の経緯

《小さな黒人》は、子供でも演奏できる簡単な曲として、1909年に作曲されました。

そのためこの曲は単独で出版されず、同年に他の作曲家が編集した「ピアノ初級教則本」の中の一曲として出版されました。

だからこんなに簡単な曲なんですね

クラーニャ

曲名の意味・由来

《小さな黒人》の原題はフランス語で《Le Petit Nègre》、英語では《The little nigar》。

しかし「ニガー(Nègre, Nigar)」という表現は蔑称で、現在差別用語に指定されているので、使用する際には注意が必要です。

日本では以前《小さな黒ん坊》と呼ばれていましたが、「黒ん坊」や「黒んぼ」は放送禁止用語に指定されている差別用語なので、現在では使われることはありません。

ニャンチーニ教授

時代の流れでここらへんは厳しくなっておるからのう。注意が必要じゃ

副題として付いている「ケークウォーク(Cakewalk)」とは、アメリカ南部の黒人が起源となった踊りです。

この踊りはジャズの起源の一つにもなったと言われています。

踊りの巧さを競いあい、勝利したものに大きなケーキが贈られたことが名前の由来です。

1896年にアメリカで発行されたケークウォークのコンテストのポスター

1896年にアメリカで発行されたケークウォーク・コンテストのポスター

演奏難易度

ドビュッシーのピアノ曲難易度ランキングで、《小さな黒人》は難易度「E+」に分類されます。

参考程度に、《ゴリウォーグのケークウォーク》の難易度は「B+」です。

ニャンチーニ教授

ドビュッシーのピアノ曲の中では、圧倒的な簡単さじゃよ
ドビュッシーのピアノ曲演奏難易度ランキング。ドビュッシーのピアノ曲演奏難易度ランキング

曲の視聴

では演奏を聞いてみましょう。

ドビュッシー/小さな黒人 pf.Vincenzo Balzani

ちなみに黒人たちが生み出したケークウォークはこんな感じの曲です。

Cake Walk

たしかに雰囲気がかなり似てますね!

クラーニャ